一般社団法人設立手続 HOME > 定款作成 TOP > 社員総会の運営方法

「社員総会」とは、一般社団法人における最高意思決定機関で、次のような法人運営に関する重要事項を決定することができる機関です。

  • 決算の承認
  • 役員(理事や監事など)の選任・解任、役員報酬
  • 定款の変更
  • 合併・解散

社員総会をどのように運営するかについては、法律で一通り定められておりますが、一部の事項については、必要に応じて法律と異なる運営方法を定款に定めることもできます。
また、法律で明確に定められていない事項についても、必要に応じて定款で明確化させて、社員総会の円滑化を図ることもできます。

社員総会運営要領の概要

社員総会の運営は、定款で何も定めなかった場合には、法律に従うこととなりますが、その内容は、概ね次のとおりです。

社員総会の種類

社員総会は、毎年1回必ず開催しなければならない「定時社員総会」と、必要に応じて開催する社員総会の2種類があります。

定款においては、定時社員総会以外の社員総会を、「臨時社員総会」などと定めることもできます。

社員総会の構成

社員総会は、全ての社員(会員制度を設けている場合には、社員に該当する会員)で構成します。

定款では、そのことを改めて明確化したり、また会員制度を設けている場合には社員総会を構成する会員の種類を明確化したりすることができます。

議決権の数

各社員は、それぞれ1個(1票)の議決権を平等に持っております。

定款においては、社員によって議決権の数が異なるように定めることもできます。

社員総会の権限 (社員総会で決議できる事項)

理事会を設置しない一般社団法人の社員総会では、法人運営に関する全ての事項について決議することができます。

一方、理事会を設置する場合において、定款で社員総会の権限について何も定めていない場合には、理事会に一定の権限があるため、その社員総会では法律で定められた事項しか決議できません。

理事会を設置する場合、定款においては、社員総会で議決できる事項を増やすこともできます。

理事会に関することは、「理事会設置の有無」をご覧下さい。

定時社員総会の開催時期

定時社員総会は、少なくとも毎年1回、一定の時期に開催しなければなりません。

定款においては、社員総会の開催時期を具体的に定めることもできます。

社員総会を招集できる役員・社員による社員総会の招集の請求

社員総会の招集は、理事の全員ができることとなっております。
(なお、理事会を設置している一般社団法人の場合は、理事会の決議を経て招集することとなります。)

定款においては、原則として代表理事のみが社員総会を招集することができるようにするなど、招集できる理事を限定することもできます。

また、全ての社員(総議決権)の10分の1以上の社員によって、社員総会を招集できる理事に対し、社員総会を招集するよう請求できます。
定款においては、この割合を5分の1まで高めることができます。

社員総会の招集時期

社員総会を開催する際には、その一週間前までに、招集通知(案内状)を発送しなければなりません。

理事会を設置しない場合、定款においては、この期間を短縮することもできます。

社員総会の議長

社員総会の際に、議長がいる場合には、議長がその社員総会を取り仕切ることとなります。

なお、法律では誰が議長になるかについては定められておりませんので、社員総会において、その都度議長を選任することとなります。

定款においては、あらかじめ誰が議長になるかを定めておくこともできます。

社員総会(通常決議)の定足数・決議

社員総会は、通常、社員(議決権)の過半数が出席することにより開催することができ、また決議は、出席した社員(議決権)の過半数をもって行われることとなっております。

定款においては、通常決議に係る定足数や決議を変更することもできます。

特別決議

定款変更などの特に重要な事項を決議するためには、社員総会で「特別決議」と呼ばれる決議をしなければなりません。

特別決議を行うためには、次のとおり賛成票が必要となります。

  • 賛成した人数が、全ての社員の人数の半数以上である。
  • なおかつ、賛成した議決権の数が、全ての社員の議決権の数の3分の2以上である。

なお、特別決議が必要となる代表的な事項は、次のとおりです。

  • 社員の除名、監事の解任
  • 定款変更
  • 解散・合併

定款においては、特別決議に必要な賛成票(議決権)の割合を高めたり、特別決議を要する事項を増やしたりすることができます。

書面や代理人による議決権の行使

社員総会を招集する際には、書面や電磁的方法(電子メール等による方法)による議決権の行使(議案に賛成するかどうか)を認めるかどうかを定めておきます。
また、書面等による議決権の行使を認めた場合には、総会に出席できない社員は、定められた方法で議決権を行使することができます。

また、社員総会に出席できない社員は、代理人を立てて、その代理人に議決権の行使(議案に賛成するかどうか)を委任することもできます。

定款においては、例えば代理人を社員に限るなど、代理人として委任できる相手の範囲を制限することもできます。

議事録

社員総会を開催した際には、その議事録を作成しなければなりません。

議事録には、一般的に署名や記名・押印を行いますが、法律では誰が議事録に署名等をするかについては定められておりませんので、定款において、議事録に署名等をする人を定めておくこともできます。

定款の記載要領

社員総会の種類

定款では、定時社員総会以外の総会の呼び方を定めることができます。

(種別)

第○条 当法人の社員総会は、定時社員総会と臨時社員総会の2種とする。

社員総会の構成

(一般的な表現)

(構成)

第○条 社員総会は、すべての社員をもって構成する。

(会員制度の場合)

(構成)

第○条 社員総会は、すべての正会員をもって構成する。

議決権の数 (公益社団法人に移行する場合は注意)

社員総会においては、各社員はそれぞれ1個(1票)ずつの議決権を平等に持っておりますが、これを例えば、個人社員と法人社員とで議決権の数を変えたり、はたまた株式会社のように拠出金に応じて議決権を割り当てるなどといったことができます。

(個人と法人とで議決権の数を変える場合)

(議決権の数)

第○条 社員総会における議決権は、個人である社員1名につき1個とし、法人又は団体である社員1名につき5個とする。

(基金の拠出額に応じて議決権を割り当てる場合)

下の例では、株式会社のように、基金(概ね株式会社の出資金に相当)を拠出した人が、その拠出額に応じて議決権を得るよう、社員の資格とともに定めてます。

基金に関することは、「基金の有無」をご覧下さい。

なお、公益社団法人に移行する場合には、拠出金等に応じて議決権を割り当てることができませんので、このような定款の定めはできません。

(社員の資格)

第○条 当法人の基金を引き受けたものは、その拠出者となったときに当法人の社員となる。

(議決権の数)

第○条 社員は、当法人に拠出した基金の額と同数の議決権を有する。

社員総会で決議できる事項 (理事会設置一般社団法人専用)

理事会を設置する一般社団法人では、理事会が一定の権限を持つため、その社員総会においては、原則として、冒頭に記載した事項を例とする法律で定められた事項についてのみ決議することができ、その他の事項については決議することができません。
しかし、社員総会の権限を法律の規定よりも強くしたい場合には、定款で、社員総会で決議できる事項を増やすことができます。

(簡易的な記載例)

(権限)

第○条 社員総会は、法令に定める事項のほか、次の事項を決議する。

  1. 社員の入社及び退社に関する事項
  2. 入会金及び会費の額

(一通り網羅した記載例)

(社員総会の権限)

第○条 社員総会は、次の事項を決議する。

  1. 入会金及び会費の額
  2. 社員の除名
  3. 理事及び監事の選任及び解任
  4. 理事及び監事の報酬の額又はその基準
  5. 事業報告及び収支決算
  6. 定款の変更
  7. 解散
  8. 残余財産の帰属先
  9. 理事会において社員総会に付議した事項
  10. 前各号に定めるもののほか、法令に規定する事項及び本定款に定める事項

なお、例えば代表理事の選定など、理事会で決議することが法律に明記されている事項については、社員総会で決議することができませんので、ご注意下さい。

定時社員総会の開催時期

法律では、定時社員総会(毎年必ず開催しなければならない社員総会)の開催時期について、「一定の時期に招集しなければならない」としか定められていませんが、これを定款で明確化させることができます。

(定時社員総会の開催についてのみ定める場合)

(開催)

第○条 当法人の定時社員総会は、毎年1回、毎事業年度終了後3か月以内に開催する。

(定時社員総会以外の社員総会の開催についても定める場合)

(種別)

第○条 当法人の社員総会は、定時社員総会及び臨時社員総会の2種とする。

(開催)

第○条 定時社員総会は、毎年1回、毎事業年度終了後3か月以内に開催し、臨時社員総会は、必要がある場合に開催する。

社員総会の招集権者

法律では、理事の全員が社員総会を招集できることとなっておりますが、定款で、招集できる理事を限定することができます。

(理事会を設置しない場合)

(招集)

第○条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、代表理事が招集する。

(理事会を設置する場合)

(招集)

第○条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき、代表理事が招集する。

(社員による招集の請求に関する事項まで記載する場合)

(招集)

第○条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき、代表理事が招集する。

2 総社員の5分の1以上の議決権を有する社員は、代表理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。

(招集手続の省略について定める場合)

(招集)

第○条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事会の決議に基づき、代表理事が招集する。ただし、すべての社員の同意がある場合には、書面又は電磁的方法による議決権の行使を認める場合を除き、その招集手続を省略することができる。

2 総社員の5分の1以上の議決権を有する社員は、代表理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請求することができる。

社員総会の招集時期 (理事会"非"設置一般社団法人専用)

法律では、社員総会開催日の一週間前までに招集通知(案内状)を発送しなければならないこととなっておりますが、理事会を設置しない一般社団法人の場合には、必要に応じて、この期間を短縮することができます。

(招集通知)

第○条 社員総会の招集通知は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、社員に対し、会日の5日前までに発する。

社員総会の議長

法律では、誰が社員総会の議長になるかについて定められていませんが、定款であらかじめ定めておくことができます。

(代表理事が議長になる場合)

(議長)

第○条 社員総会の議長は、代表理事がこれに当たる。

(代表理事が出席できない場合を想定した例)

(議長)

第○条 社員総会の議長は、代表理事がこれに当たる。代表理事に事故あるときは、その社員総会において、出席した社員の中から議長を選出する。

社員総会(通常決議)の定足数と決議 (公益社団法人に移行する場合は注意)

法律では、社員総会は、社員の半数以上が出席することが開催条件となっておりますが、この条件を定款で変更することができます。

ただし、公益社団法人に移行する場合には、定足数を大幅に下げることはできませんので、注意が必要です。

なお、特別決議の場合には、必ず半数以上の出席が必要となります。

(法律の規定を踏襲する場合)

(決議)

第○条 社員総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の過半数を有する社員が出席し、出席した社員の議決権の過半数をもって行う。

(定足数を3分の1に引き下げる場合)

(決議)

第○条 社員総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の議決権の3分の1以上を有する社員が出席し、出席した社員の議決権の過半数をもって行う。

(定足数を設けないとき)

(決議)

第○条 社員総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した社員の議決権の過半数をもって行う。

社員総会の特別決議

社員総会の決議の条項では、特別決議に必要な賛成票の割合を高めたり、特別決議を要する事項を増やしたりすることもできます。
下の例は、特別決議に必要な賛成票(議決権)を4分の3に増やし、また特別決議が必要な事項に理事の解任を追加したものです。

(決議)

第○条 社員総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した社員の議決権の過半数をもって行う。

2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、特別決議として、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の4分の3以上に当たる多数をもって行う。

  1. 社員の除名
  2. 理事及び監事の解任
  3. 定款の変更
  4. 解散
  5. その他法令で定めた事項

代理人の制限

社員総会に出席できない社員が代理人を立てる場合、法律では誰が代理人になっても良いこととなってますが、定款で、代理人として委任できる相手の範囲を制限することもできます。

下の例では、代理人として委任できる相手を社員に限定しています。

(代理)

第○条 社員総会に出席できない社員は、他の社員を代理人として議決権の行使を委任することができる。

議事録への署名等

法律では、議事録に誰が署名等をするかについて定められておりませんが、定款で署名等をする人を定めておくこともできます。

(議事録)

社員総会の議事については、法令で定めるところにより、議事録を作成する。

2 議長及び出席した理事は、前項の議事録に署名又は記名押印する。

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